Xfce 4.10 ツアー
このツアーでは Xfce 4.10 の主な新機能について紹介します。ここでは目に見える部分のみについて説明していますが、すべての変更点については 更新履歴 をご覧ください。
オンラインドキュメント
4.10 の開発中、私たちはユーザードキュメントに関して、貢献 や更新を容易にするため、それらをパッケージから削除し、オンライン Wiki docs.xfce.org へ移動することを決定しました。
「ヘルプ」ボタンをクリックすると Xfce はオンライン wiki のページを開くかどうか尋ねます
私達はこの wiki の採用によってドキュメントのメンテナンスへの協力や開発者の執筆がより行いやすくなることを期待しています。
アプリケーションファインダー (xfce4-appfinder)
折り畳んだアプリケーションファインダー
アプリケーションファインダーは完全に書き直され、元のアプリケーションファインダーと xfrun4 は機能統合されました。他に、プレフィックスや正規表現にマッチするカスタムアクションの作成も行えるようになりました。
展開したアプリケーションファインダー
パネル (xfce4-panel)
複数列のパネル
4.10 ではパネルごとの設定で列数を指定できるようになりました。列は、ランチャーなどの一部のプラグインの大きさは 1 列分そのままに、例えばウィンドボタンなどではパネルのサイズ全体を使用して配置されます。
列数を 3 に設定した水平パネル
デスクバーモード
「デスクバー」と名付けられた新しい表示モードが追加されました。デスクバーモードでは、パネルの方向は垂直になり、プラグインは水平方向に配置されます。「列数」設定と組み合わせることで、ワイドスクリーンに適したパネルが作成できます。
列数を 5 に設定したデスクバーモードのパネル
アクションボタンプラグイン
アクションプラグインは書き直され、xfce4-session のセッションプラグインと統合されました。
メニューモード (左) とボタンモード (右) のアクションボタンプラグイン
ウィンドウボタン
ウィンドウボタンプラグインはプラグインの位置決めを柔軟に行えるよう、必要もないのに広がったりしなくなりました。パネル上のプラグインの配置を維持するためにスペースを埋めたい場合は透明なセパレータープラグインをウィンドウボタンの後ろに追加し、「拡張する」オプションを有効にしてください。
ファイルマネージャー (thunar)
このリリースではヴィジュアルにいくつか変更が加えられました。ウィンドウ内のパディングが小さくなり、ステータスバーの位置が改善されました。
セッションマネージャー (xfce4-session)
セッションマネージャーの設定ダイアログ内に、保存セッションをクリアするボタンが追加されました (もう rm -r ~/.config/session する必要はありません)。Xfce4-tips は廃止され、システムがサスペンドやハイバネートに遷移中の時画面をロックするオプションが追加されました。
自動開始アプリケーション
その他の大きな変更点は、GNOME および KDE との互換機能です。互換性チェックボックスは、その他のアプリケーションより先に起動しなければならないサービス (GNOME での gnome-keyring や gconf、KDE での kdeinit) を有効にするだけになり、その他のアプリケーションの自動起動は自動開始アプリケーションの中から選択する方式になりました。それらは Xfce アプリケーションと区別するため斜体で表示され、デフォルトでは有効になっていません。これまでの Xfce のリリースとは異なり、互換サービスはそれぞれの起動を個別に指定できるようになりました。
Xfce 以外のデスクトップ用アプリケーションは斜体で表示されます
設定 (xfce4-settings)
設定デーモン
Xfce 4.8 では設定の適用に 2 つのプロセス (xfce4-settings-helper と xfsettingsd) を使用していました。4.10 ではこれらは統合されて xfsettingsd がすべてのシステム設定を扱います。
設定マネージャー
新しい設定マネージャーでは設定ダイアログアイコンがカテゴリごとにグループ分けされ、名前や説明で検索できるようになりました。ほとんどのダイアログは設定マネージャーウィンドウに埋め込まれます (4.8 からのコンパイルオプション)。
アイコンがカテゴリごとにグループ分けされ、検索機能が追加された新しい設定マネージャー
設定エディター
設定エディターは、その再読み込み単位がツリー全体からセル単位に変更され、プロパティが編集されるたびにツリー全体を折り畳むことがなくなりました。ほとんどのプロパティはインプレースで編集できるようになり、すみやかな設定の調整が簡単に行えるようになりました。
設定エディターを使って選択したチャンネルの変更をモニターできるようになりました。メインウィンドウでチャンネルを右クリックし、モニターを選ぶとダイアログが開き、そのチャンネルのプロパティの状況を表示します。
チャンネルモニターダイアログを開いてプロパティをインラインで編集する設定エディター
MIME タイプエディター
ここ数年、たくさんの方々からファイルタイプへのアプリケーション割り当てを管理するツールについての要望が寄せられました。その声に応え、MIMEタイプエディターを用意しました。このエディターでは、ファイルタイプごとのデフォルトアプリケーションの割り当てが簡単に行え、ユーザー設定とそうでないものとが識別でき、必要に応じてそれらを初期値にリセットすることができるようになります。ただし、システム MIME タイプ定義の変更 (タイプの追加あるいは削除、およびアイコンの変更) は行えません。
パターンにマッチした MIME タイプとデフォルトアプリケーションの選択メニュー
マウスとタッチパッド
マウスとタッチパッド ダイアログは Synaptics や Wacom などの基本的なプロパティを GUI で管理できます。すべての種類のデバイスプロパティを管理する設定デーモンがバックグラウンドで作動しています。管理するプロパティについては マウス設定 wiki を参照してください。
マウスとタッチパッドダイアログでの Synaptics タッチパッドの設定
外観の設定
Xfce 4.10 から、テーマの tar ボールをスタイルまたはアイコンリストへドラッグアンドドロップできるようになりました。Xfce はそれを展開し、~/.themes あるいは ~/.icons ディレクトリへのインストールを試みます。
デスクトップマネージャー (xfdesktop)
当初の計画では 4.10 においてデスクトップを Thunar に統合する予定でしたが、今リリースではまだ行わないことにしました。その代わりそれと同様の機能追加が Xfdesktop に対して行われました。主な改善点は、シングルクリックのサポート、背景の自動変更、およびサムネイルの描画です。
デスクトップアイコンの画像のサムネイルとシングルクリックのサポート
Xfdesktop では新しいデフォルトの背景が採用されました。
ウィンドウマネージャー (xfwm4)
ウィンドウを画面端にドラッグしたときにウィンドウをタイル表示できるようになりました。この機能はデフォルトでは無効になっています。その場合でもキーボードショートカットでタイル表示を行えます。その他に、テーマサポートが向上し、Alt+Tab でのウィンドウ切替時に方向キーでのナビゲーションができるようになりました。